アメリカ合衆国の抽選永住権(DVプログラム)で2001年に当選し、2004年からロサンゼルスで生活しています。
当選後の家族4人分の書類作成や、面接、健康診断、入国、引っ越し、移住までの覚書を元に、当時のドタバタぶりや悩みを書き残しておこうと思います。
グリーンカード(抽選永住権)応募の方法
昔はインターネットによる応募ではなく、タイプして写真を貼って、ケンタッキー・コンシュラー・センター宛に郵送していました。
主人は留学から帰国してから毎年応募していて、私と結婚してからは、「確率が2倍になる」と言って、私の名前のものと合わせて2通送っていました。
現在はオンラインでの応募となり、在日米国大使館のウェブサイトから、移民ビザ、移民多様化プログラム(グリーンカード 抽選プログラム)、申請方法、とすすむと英語版で申請方法のPDFが入手できます。
各国語に訳されたものもありますが、日本語はありません。
オンライン申請の手順は、申請方法のガイドの中に、動画もあるので、参考にして行ってください。
グリーンカード当選後の書類作成
主人宛に、我が家のポストに、ケンタッキーからの分厚い封筒が届いたのは2001年4月、長男の3歳の誕生日のことでした。
当たったけれど、まだギャランティーでない。
でも、うまくいけば、来年の今頃にはアメリカで生活を始めなければならない。
3歳の長男と1歳の長女、私は専業主婦。
日本に住む平凡なサラリーマン家庭のチャレンジが始まりました。
まずは、同封されてきた書類を、家族4人分すべて英語で記入し、ケンタッキー・コンシュラー・センターに返送しなければなりません。
「OF–230 Part I」という書類の記入は、履歴書を書く要領で書いていきます。
氏名、生年月日、出生地、現住所、卒業した高校、大学とその入学・卒業年度、これまでに6ヶ月以上居住したことのある市町村と、その期間、職歴、勤務先…
渡米記録の記入は大変でした。
ダンナさんは、旅行会社勤務で留学も含め20回以上渡米しています。
古いパスポートも出してきて、出入国スタンプを一つ一つ読み取って書き出し、別紙にタイプしていきました。
パスポートや免許証、グリーンカードは更新しても古い方を捨ててはいけない!です。
子ども2人分も書けるところを埋めます。
次は「OF–230 Part Ⅱ」こちらは犯罪歴や不法滞在歴がないかどうかの宣誓書です。
この書類で大事なのは、米国内の受け入れ先住所です。
この抽選永住権は、すでにアメリカにいて、アメリカに住み続けたい、もっと良い仕事に就きたい、という人が応募するというケースが多いので、受け入れ住所も、勤務先や、知人にお願いできる場合が多いです。
まったくお願いできる人がいない場合は、米国永住権の申請を扱う弁護士に依頼し、受け入れ住所を弁護士事務所の米国にある事務所にしてもらうという対策が必要です。もちろん有料です。
うちは、ダンナさんがアメリカ滞在中にお世話になっていた方が、サポートしてくださることになり受け入れ住所はその方の住所をお借りすることになりました。
よかったことがもう一つ。
ダンナさんは、その昔、留学が終わる頃、日本に帰りたくなくて、そのまま不法に居残って、バイトでもしながら永住の機会を伺おうかと考えたそうです。
けれど、日本に帰って就職し、うまく海外駐在などで、正式に滞在資格を得られるとなった時に、その不法滞在が判明すると滞在資格が取り消されることになるというので、まじめに日本に帰国しました。
グッジョブ、若き日のパパさん。
今、めでたく永住権への書類に堂々と滞在記録を記入し、不法滞在歴はNOにチェックを入れることができました。
こうして家族4人分の「Part Ⅱ」も完成させました。
永住権当選後の書類提出と移住までの流れ
書類とともに写真がいります。
規定サイズ37mm四方の家族分の写真を近所の写真館で撮影することになりました。
3歳と1歳はいい顔でじっとさせるのが大変です。同時に子どものパスポート申請用の写真も撮りました。しめて10000円以上の出費です。
こんな出費が増えていきます。
書類が完成したら、Case番号を全ページの右肩に書き込み、写真も裏に名前と番号を記して同封し、ケンタッキー・コンシュラー・センターに返送します。うちもなんとか2週間ほどで書類を返送しました。
このあと、書類審査が通れば、ケンタッキーから面接の日程が知らされます。
日本国内では東京の赤坂にあるアメリカ大使館か、沖縄での面接ですので、うちは当時神奈川県在住でしたので、赤坂で希望を出しました。
面接までに用意しなければいけない書類がいっぱいあります。
戸籍謄本(家族の続柄の証明)
高校と大学の卒業証明(英文にて)
犯歴証明
健康診断書(必要な予防接種を終わらせておく)
銀行の残高証明
日本語の証明はすべて英訳が必要
最初の書類を出して1ヶ月ほどしたある日、ケンタッキーから小さな封筒が届き、中にはダンナさんの書類の原本が1枚入っていて、米国内の勤務先の欄が空欄のままなので記入して返送するように指示がありました。
まだ渡米してないのに勤務先なんてない…私たちはダメもとでアメリカ大使館に問い合わせました。
大使館査証部は意外にも(!)親切に対応してくださり、受け入れ先の住所を勤務先の欄に記入することにして、ケンタッキーに返信しました。
このあと、8月にケンタッキーから面接を10月9日に赤坂の大使館で行うと通知がありました。面接まで当選通知からちょうど半年。
面接でOKが出ると、半年間有効の仮ビザがその場で発行され、期間内に米国に入国すればグリーンカードが発行され、米国内の受け入れ・現住所に郵送されるという流れになっています。
まとめ
抽選グリーンカードの当選通知から、書類と写真の返送について、面接までの流れをまとめました。
最初の書類提出を進めるうちに、「生半可な気持ちではアメリカに移住するなんてできないのだ」と覚悟を試されていく思いになります。
専門の弁護士に頼めば、費用はかさみますが、心強いことでしょう。
ただし、書類を各関係機関から取り寄せるのは自分でやらなければならないし、この書類作成の作業も自分でできないとなると、実際にアメリカで自力で生活していくのは困難だと感じます。
ダンナさんが1年の留学経験と会社での海外出張があったこと、私が大学で英文科を専攻していたことが今回家族4人で移住を成し遂げる上で大きな利点であったとつくづく感じています。
次回は、面接に持参する書類の集め方を中心に振り返りたいとおもいます。
この記事があなたのお役にたちますように!